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【京都 vs 北九州】13失点、トンネル・・・屈辱を乗り越え、清水圭介は立ち上がる

2020年10月20日(火)


「『やっときたか』という感じでした」

明治安田生命J2リーグ第27節・山口戦の試合前日に、清水圭介は先発起用を伝えられた。「常日頃から準備はしていたけれど、いざ伝えられると気持ちの高ぶりはありました」というのは偽りない心境だろう。26試合ぶり、約8ヶ月ぶりのスタメン出場。試合では最後尾から味方へ指示を出し続け、後半にはカウンターからの大ピンチを右手一本で防ぐなど活躍。實好礼忠監督も「(清水)圭介は日頃からいい準備をしてくれて、いろいろなところでチームのためにやってくれている。(開幕戦以来の出場で、相手は同じ山口というのは)何かの巡り会わせなのか、狙ったわけではないんですが、ここで再戦となった。あの失点はなかなか防げないし、それ以外ではビルドアップやシュートストップを安定してやってくれました」と評価を与えている。

本人は、まずチームについて「前々節の町田戦は外から見てても完敗で、出足の遅さが随所に見られました。その反省を踏まえて、山口戦は立ち上がりからアグレッシブにプレッシャーに行って、自分たちのペースで攻める回数も多かった。ただ、チャンスを決めきれず、相手のワンチャンスを決められてしまいました」と振り返った。

自身のプレーについては「久しぶりだったこともあり、セーフティーに行くことを自分のテーマとして掲げました。ビルドアップでミスは無かったけれど、少しセーフティーにいきすぎたところもあります」と話しており、後半の好セーブについては「0-1でなんとしても得点が欲しい状況で、(攻撃重視で)後ろのバランスも少し崩れていた中でボールを奪われましたが、前線の選手が全力で戻ってきてくれて相手にプレッシャーを掛けてくれた中での、自分のセーブでした。最後は自分のところでなんとか(シュートに)触れましたが、味方のプレーのおかげという部分も大きいです」と必死にリカバーした味方への感謝を忘れなかった。

今季は開幕戦でピッチに立つも、チームは0-1で敗戦。失点はミドルシュートをキャッチしようとした清水が後逸・・・いわゆるトンネルをしてしまった。相手選手が放った無回転シュートは、清水の少し手前で落ちるような軌道を描いており簡単ではなかったが、正面で対応しながらの失点は悔やまれるものだ。その試合の後から新型コロナウィルスによる中断期間に入り、リーグ再開後は若原智哉に正GKの座を奪われた。

そのことを清水本人に尋ねると、彼の口からは開幕戦と共に、昨年の最終戦・柏戦の話も出てきた。今季、J1で22試合22得点と得点ランキング首位を独走するオルンガに8得点を奪われ、トータル13失点という不名誉な記録を残してしまった、あの試合でも清水はゴールマウスを守っている。今季の活動が始まった際、清水は「ピッチ上での借りは、ピッチ上でしか返せない」と屈辱を乗り越えて前を向こうとしていた。そうして迎えた開幕戦での、痛恨のミス。「昨季の最終戦と、今季の開幕戦。不甲斐ないプレーをしたところで中断期間を迎えて、そこからはすごく苦しい、難しい状況でした。それでも、トレーニングからいいコンディションを保つことを心掛けてきたし、そうしてチャンスをいただいた。『自分はまだやれるんだ!』というところを見せたかったです」。

山口戦の翌日には「久しぶりにリーグ戦に出場して『1試合プレーするのはこんなにも大変なのか』というくらい、今日になって身体に負担がかかっています」と話していたが、それも公式戦のピッチに立てたからこそ味わえる、心地よい疲労だ。

今回の対戦相手となる北九州については「若い選手が多く、全員がハードワークでき、規律もしっかりしている。本当に全員がサボらないチームだなと感じました。球離れがよく、攻撃のリズムがいい。隙を与えるとやられる雰囲気を持つ選手が前線に何人もいる。『これくらいのプレスでいいや』という曖昧な寄せ方ではなく、いままで以上に突き詰めたプレスをやらないといけない」と警戒する。清水にとってはニューウェーブ北九州時代に半年間だけ在籍した古巣でもあり、「10年以上も前でクラブ名も違ったけれど、人の温かさというのは感じました。サポーターの皆さん、地域の皆さんの温かさ。それは今でも覚えています」と懐かしむ。

ただ、3連敗中と苦しむチーム状況を考えれば、懐かしんでいる余裕はない。「どんなチームにも、いいときと悪いときがシーズンを通してある。たしかに、いまうちは調子に乗れていない。上手くいかないときや負け越しているときは自信がなくなったり、下を向きがちだけど、自分たちの力を信じて、チームメイトを信じてやり続けることが大切です。そういった精神面が重要になってきます。ネガティブになりすぎず、チームを信じてやり続けることが、この苦しい状況を変えていくんだと思います」。

苦境に立つチームの悪い流れを、断ち切ることができるか。


文:雨堤俊祐(京都担当)


明治安田生命J2リーグ 第28節
10月21日(水)18:30KO サンガS
京都サンガF.C. vs ギラヴァンツ北九州
サンガスタジアム by KYOCERA(京都サンガF.C.)
みんなの総合評価 (4.7)
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