【神戸 vs 大分】“切り札”田中順也がもたらすものは得点力アップ? リズム変化? それとも…

2020年10月13日(火)


8月21日の練習中に起こした左内転筋肉離れで戦線を離脱していた田中順也が、10月10日の明治安田生命J1リーグ第21節・柏戦で復帰した。2ヶ月ほど試合から遠ざかっていたにも関わらず、投入2分後の60分、そして75分にゴールを決めた。まさに“切り札”。J1リーグ終盤はもちろん、11月下旬に再開予定のAFCチャンピオンズリーグに向け、神戸に頼もしい男が戻ってきた。

では、33歳のレフティ復帰が神戸にもたらすものは何だろうか。一つは、改めて言うまでもないが得点力アップである。4点ビハインドの状況で投入された柏戦では、限られた時間の中で反撃の狼煙となる2ゴールを挙げている。劣勢下で挙げる田中のゴールは相手に大きなダメージを与え、神戸にはいい流れを呼び込む。効果的なゴールと言えるだろう。

同じような得点が昨シーズンにもあった。2019年3月30日のJ1リーグ第5節・G大阪戦だ。2-3で1点を追う展開の中、74分にピッチに立った田中は80分と89分にゴールを決め、神戸の逆転勝利を手繰り寄せている。
そして、この試合で田中がもたらしたリズム変化が2つ目の効果として期待される部分である。
当時、神戸はポゼッションサッカーの“先駆者”フアンマヌエル リージョ元監督が指揮を執っていた。選手全員が相手陣内に押し込んだ中で攻め続けるという独特のサッカーを展開し、G大阪が相手でもその哲学を貫いていた。
その中でルーカス ポドルスキとダビド ビジャによる得点で一時は同点に追いついたものの、倉田秋のゴールで再びリードを許す展開。そして、リージョ元監督は「カウンターの中でしっかりプレーのできる田中を投入」というカードを切った。
後日談だが、この時ベンチで戦況を見つめていた田中は「横にパスを流すだけでカウンターになるな」と分析していたという。
実際にピッチで縦パスを受けた田中が、横にパスをさばくと古橋亨梧や三田啓貴らが本来のスピードを活かしはじめた。何度か田中を軸にしたカウンターを仕掛けることで、G大阪はDFラインを下げざるを得ない状況に。結果的に中盤にスペースができたことで再び神戸がボールを支配できるようにもなった。
田中は試合後に「味方が相手を崩し切ってくれるので自分は決めるだけでした」とコメントしているが、そのシチュエーションを作り出したのは田中自身だった。

“切り札”田中がもたらすものは得点力アップとリズム変化である。そしてもう一つ、大きな効果として期待されるのがチーム内競争の活性化だ。
田中の復帰だけが原因ではないかもしれないが、前節の柏戦ではこれまでベンチ入りしていた小川慶治朗や小田裕太郎がベンチ外になった。特に、負けず嫌いの小川がこのまま黙っているとは思えない。現時点でレギュラーの古橋亨梧や郷家友太も含め、前のポジション争いが激化すればするほどチーム力の向上は望める。
アジアNo.1クラブという大きな目標に向かっている神戸にとって、田中復帰の最大の効果はチーム内競争の活性化と言えるかもしれない。


文:白井邦彦(神戸担当)


明治安田生命J1リーグ 第22節
10月14日(水)19:00KO ノエスタ
ヴィッセル神戸 vs 大分トリニータ
ノエビアスタジアム神戸(ヴィッセル神戸)
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