【磐田 vs 長崎】大森晃太郎が感じている“遠藤効果”。彼の自由な発想が攻撃のカギを握る。

2020年10月13日(火)


この2週間弱は、サックスブルーにとって激動の期間だった。クラブは、フェルナンド フベロ前監督を解任し、鈴木政一新監督の就任を発表。その翌週には、日本サッカー界のレジェンドでもある遠藤保仁がG大阪から期限付き移籍で磐田に加入。チーム内競争もサッカーのスタイルもガラリと方向転換し、残りの期間で大逆転でのJ1昇格を目指すことになった。その状況下で2試合連続でのスタメンが続いている大森晃太郎は、「僕たちが楽しくサッカーをやらないと見ている人たちにも楽しさは伝わらないと思う。この2試合はそういうのを意識している」と心機一転して前向きに取り組んでいる様子も伺える。

それはピッチ上でも現れている。ここ2試合は、スタートポジションこそ[3–4–1–2]の左WBでの出場だが、ピッチ上では自由にボールサイドに関わり、時には逆サイドの右サイドまでボールを受けにいく自由なポジショニングで楽しんでプレーしている姿が印象的だ。もちろんフベロ体制時にも唯一「自由を与えている」存在としてアタッキングサードの局面打開で違いを生み出せる特別な能力に期待もされていたが、選手の状況判断を重んじる現体制では、さらにその自由な発想に縛りをかけない自由度も増している印象だ。

そこには遠藤が加入した効果も拍車をかけている。「ヤットさんが入ることでタメが作れたり、うまくゲームをコントロールしてくれる。僕ら前線の選手は、流動的に動きながらできている」と話している。単純にポジションを変えようと思えば、その分移動しなければならない。その移動距離が長ければ長いほど、そのために味方が時間を作る必要性も増す。その点においてボールの預け先として絶大な信頼を寄せられている遠藤の存在は、ポジション修正をするために非常に大きな役割を担っている。実際にその効果を実感している大森は、「ボールを受ける選手や周りの選手がフリーでボールを受ける回数が増えてきている」と実感しており、「やっぱりやりやすい」と痛感している遠藤の存在感の大きさを物語っている。

ただ一方でデメリットもある。ポジションを自由に動き過ぎるが故に守備時には、空いたスペースを狙われやすい。実際に松本戦でも相手の右WBの選手がボールを奪った瞬間に空いたスペースを狙うようなアクションを頻繁に行っていた。ただそこも攻撃から守備に切り替わった瞬間に「ボールを奪われたら近い選手がボールを奪い返しにいくことがこの2試合はできている」と振り返っている。そのスペースを使われる前に解決すれば、問題点も浮き彫りにならない。それ故に攻撃から守備に切り替わった瞬間に相手から自由を奪い、ボールを奪い返す、もしくは最低限でもボールを下げさせるアクションを相手にさせることが流動的な攻撃サッカーを志向していく上での肝となるポイントだ。

現状2位の福岡とは、勝点差が「18」まで広がり、J1昇格へ極めて厳しい状況に立たされている。「僕たちは失うものは何もない。勝たなければいけない。それだけ」。そう意を決する大森が現体制でも得点を奪うためのキーマンになることは変わらない。現実として8戦勝利がないうち5戦が無得点と得点力が勝ち切れない要因にもなっている。ホームゲームとなる今節で勝利を収めるためには、彼の自由で創造性豊かな特別な能力が欠かせないピースとなるはずだ。


文:森亮太(磐田担当)


明治安田生命J2リーグ 第26節
10月14日(水)19:30KO ヤマハ
ジュビロ磐田 vs V・ファーレン長崎
ヤマハスタジアム(磐田)(ジュビロ磐田)
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