【浦和 vs 川崎F】興梠慎三、窮地で見いだす光明に

2020年9月19日(土)


浦和は今節、最大の山場を迎える。中2日や中3日が続く厳しい5連戦の初戦で、現在リーグ首位の川崎Fをホームに迎える。

今の川崎FはJリーグの中で頭一つ、いや2つ、3つ抜け出ている傑出した強さを誇るチームだ。総得点は2位に18の大差をつける52ゴールとぶっちぎり。さらに失点数も最少失点チームから2差と、まさに攻守においてハイレベルで付けいる隙を見いだすのは難しい。

苦戦、逆境は覚悟しなければならない。現在の浦和と川崎Fのプレースタイル、個々や組織としての技量差を考えれば、浦和がボール支配で相手を上回る展開はまず考えられない。粘り強い守備で川崎Fの破壊力満点の攻撃に耐えながら、反転速攻で相手ゴールへ素早く迫ることに勝機を見いだす必要がある。

ただ、それは簡単な話ではない。川崎Fは対峙する相手を容易に“窒息”させる。自慢の分厚い攻撃で相手を敵陣に押し込んでゴールを襲い、ボールを失ったとしても、強度の強いプレスを最前線から迅速にかけることで、敵に自陣で安全なパスを回す猶予さえ与えない。相手は息つく暇もなく追い込まれ、苦し紛れにクリアさせられてはそのボールを回収されて2次攻撃を受けるという悪循環に陥る。

おそらく、かなりの確率で浦和もそういった劣勢を強いられそうだ。チャンスを作れても、ごく限られた回数しかないだろう。だが、その非常に苦しい展開からでも突破口を開けるとしたら、興梠慎三が鍵を握るのではないか。

川崎F相手に流れの中から前線に優位な形でボールが入ることは少ないはずだ。パスを受けた時は敵に囲まれているという状況も珍しくないだろう。味方がなんとか蹴り出したアバウトなボールを収めなければ、次の攻撃に移れないといった流れも多いだろう。

しかし、リーグ屈指のボールキープ力を誇る興梠であれば、そういった不利な状況でも相手にボールを奪われずに味方のサポートを待つ時間を稼げる。濁流のような強烈な守備の圧力に屈することなく敵陣で孤軍奮闘することで、川崎Fを押し返す契機を生み出せる可能性がある。

興梠は中盤に落ちたり、サイドに流れたりして攻撃の起点にもなれるし、好パスでチャンスを創出することもできる。端的に言うと“なんでもできる”プレーヤーだ。チーム内得点王のレオナルドは非常に優れたFWだが、仕事のできるエリアはペナルティエリア周辺と限られている。典型的なストライカータイプだ。その得点力を生かすにはアタッキングサードで良い形でブラジル人FWにボールを供給する必要があり、そのためには不利な状況に置かれてもチャンスにつなげられる興梠の力は不可欠だ。

むろん、得点力という点においても、8年連続二桁得点の興梠は頼りにすべきだ。点が取れると言っても、興梠は“数打ちゃ当たる”タイプではない。比較的少ないシュート数でも結果を残してきた、抜群の決定率を誇るFWだ。難しい形からスーパーゴールを決めることも珍しくない。川崎Fはほとんどチャンスを作らせてくれないだろうし、イージーな展開にも持ち込ませてくれないと予想されるだけに、興梠はより一層、心強い存在になるはずだ。


文:神谷正明(浦和担当)


明治安田生命J1リーグ 第17節
9月20日(日)19:00KO 埼玉
浦和レッズ vs 川崎フロンターレ
埼玉スタジアム2002(浦和レッズ)
みんなの総合評価 (4.4)
臨場感 (4.7)
アクセス (3.3)
イベント充実 (3.6)
グルメ (3.6)
アウェイお楽しみ (3.4)

みんなの口コミで作る「スタジアムナビ」
全スタジアムの新着投稿フォト

編集部オリジナル特集

移籍情報