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【町田 vs 大宮】出番のなかった5ヶ月。葛藤と試行錯誤から岡田優希は何を学んだか?

2020年9月19日(土)


「ポポヴィッチ監督は岡田優希を使う気がないのか?」と、心配になっていた時期がある。

岡田は川崎フロンターレU-18出身で、三好康児や板倉滉らと同期。1学年下にも三笘薫がいるタレント軍団の主力だった。昇格は逃したが、早稲田大4年時にも得点王に輝き関東大学リーグに大きく貢献している。FC町田ゼルビアに加入して1年目の昨季は、23試合に出場して「準主力」の立ち位置だった。

しかし今季は2月末の開幕戦から中断明けの7月26日(第7節)まで、プレーはおろかベンチ入りからも遠ざかっていた。そこから短い途中出場で結果を出し、第15節からは先発に定着。ジョン・チュングンの負傷もあり、左ウイングの位置で起用されている。

24歳の彼は言う。
「出られなかった日々に葛藤しながら試行錯誤して積み重ねていたものが土台、ぶれない軸になっている。今はあの経験があって良かったなと思っています」

ランコ・ポポヴィッチ監督からの叱咤についてはこう振り返る。
「なぜお前はもっとできるのに、それしか出来ないんだ?と言われていました。迷いながらプレーしているように見えたと思いますし、実際そうでした。例えばドリブルで言ったら運べるところで運ばない。迷って判断が遅れてゴールを狙えるところを逃している。仕掛けていけるところでパスを選ぶ……というところじゃないですね。求められているものと自分が出せるものをすり合わせながら、どうやって貢献できるか試行錯誤しました」

20日の大宮アルディージャ戦に向けた攻撃のテーマについて、彼は「3人目の動き」を挙げる。守備の分厚い大宮に対して、町田は攻撃の工夫が必要だ。

ポポヴィッチ監督は「コレクティブ」を強調し、組織的なサッカーを志向する指揮官だ。相手を見て判断を共有して、人とボールの動きを上手く合わせてスペースを突いていく−−。そんな連携へスムーズに絡めるのも岡田の良さだ。

彼は自ら決める、ボールを運ぶ、仲間を活かすという3つの選択肢を持ち合わせている。一つのプレーについて聞けば、相手や周りの動きまで理路整然と説明してくれるサッカーIQの持ち主でもある。

ただし岡田はまず「個」を強調する。
「人と合わせる前に、まず自分が何をできるかをしっかり証明しないといけない。背後、ゴール前の一番危ないところにきちんと入って、1対1で仕掛けて、僕は相手を抜いていけるのだからそこからシュートやクロスに行きたい。その上で味方の動きと合わせる順番でやっています」

個の怖さがあるから守備は彼を捨てられないし、「活かし活かされる関係」も機能する。個の強みを捨てるのでなく出し切ることが組織への貢献で、ポポヴィッチ監督は間違いなく程よく積極的な姿勢を評価して岡田を起用している。

最近のゼルビアで面白いのは左サイドの連携だ。2節前(第18節)のツエーゲン金沢戦では、左SBの奥山政幸がオーバーラップからプロ初得点を挙げている。

岡田は言う。
「俺のところに入ったら(相手DFは)1対1で来ると分かっている。だからマサくんの上がりを見つつ、相手を引きつけてスペースを作ることはイメージしています。金沢戦はまさに、相手を引きつけて(スペースを)空けようと考えました」

結果を出した奥山を相手が警戒すれば、今度は岡田のマークが空く。そんな状況の活用こそが連携で、チーム力を高めるサイクルだ。

迷いが消えた岡田と、そこから生まれる連携に、皆さんもぜひ注目してほしい。


文:大島和人(町田担当)


明治安田生命J2リーグ 第20節
9月20日(日)17:00KO Gスタ
FC町田ゼルビア vs 大宮アルディージャ
町田GIONスタジアム(FC町田ゼルビア)
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