【横浜FC vs 名古屋】守備陣に怪我人続出の非常事態。本職はボランチだが右サイドバックとしてチームを助ける大卒ルーキー、瀬古樹

2020年9月12日(土)


第10節・湘南戦から第12節・清水戦までクラブ初のJ1で3連勝を達成したものの、第13節・C大阪戦から3連敗を喫している横浜FC。不調の要因ははっきりしていて、怪我人の多さ。特に守備陣で六反勇治、カルフィン ヨン ア ピン、マギーニョ、伊野波雅彦(前節のFC東京戦で復帰)ら連勝時の主力が相次いで戦列を離れている。そのため、失点が多い状況に下平隆宏監督は「実はFC東京戦では3バックにすることも考えた」というが、「そうするとサブにCBがいなくなってしまう」と苦しい台所事情を明かした。

その非常事態ともいえる状況で、頑張りを見せているのが前々節の鳥栖戦から右サイドバックに入っている瀬古樹だ。明治大から今季加入したルーキーで、本職はボランチ。開幕戦でスタメンを飾って神戸を相手にチームの今季初ゴールとなる先制ミドルシュートを決め、再開後もボランチの一角を佐藤謙介、手塚康平と争ってきた。

指揮官の評価では、「守備で献身的にハードワークでき、ボールを奪える範囲が広い」、一方で「狭いスペースでのプレーはまだちょっと苦手。スペース感覚、単純なボール・コントロール、パススキルはもっと上げなければいけない」という。右サイドバックでの起用については「本当はボランチのほうが彼の良さが出る」としながらも、「苦しい台所事情というところ。他にやれる選手が見当たらない」ためだと下平監督は正直に明かした。

下平監督のサッカーでは、サイドバックに 守備力とビルドアップ力の両方を高いレベルで要求される。同じくポゼッション志向のチームではサイドバックがボランチの位置でプレーすることも当たり前のようになっており、その逆だと考えればボランチにサイドバックをやらせるのも決して無茶な要求ではないだろう。守備面はもちろん、攻撃面で彼からFWに差し込む高速の斜めのクサビはチャンスにつながる雰囲気にあふれている。

鳥栖戦では動きにぎこちなさも目についたが、2試合目のFC東京戦では「明らかに慣れてパフォーマンスが上がった」と指揮官も認め、「もともと戦術理解力は非常に高い。プレッシャーを回避するポジショニングは頭に入っているし、サイドバックとしてのスキルにも少しずつ慣れてきている」と、苦しい台所で頑張るルーキーの活躍に目を細めた。

彼のキャラクターについて下平監督に尋ねると、「うーん、真面目です。本当に真面目。非常に真面目で……、真面目以外に何かあるかな(笑)」と、4回も繰り返したところを見ると、相当に真面目なのだろう。短髪ではないが分け目のピシッとした黒髪。大学3年生まではレギュラーだったわけではなく、「金融機関に就職を考えていた」というのも何となく納得できる。1年目から試合に出続ける中で、「プロの世界での緊張感、疲労度に、一時期は疲弊して体重も落ちてしまった」というのも、真面目な性格の裏返しだったのかもしれない。

本人は指揮官のキャラクター評に「まあそう映ってるということは真面目なんでしょうけど」と苦笑しつつ、「僕はオンとオフをすごく意識してて、ピッチ内では闘争心というか、サッカーに対して真摯に向き合うようにしているので、そこかなと思います」と、やはり真面目に分析するのだった。ただ、 「オフではチームメートとワチャワチャしたりしますよ(笑)」と、当たり前だが引き出しはありそうだ。

ちなみに仲の良い選手は「松尾(佑介)とか」ということで、松尾がボケて瀬古が突っ込む絵面が容易に想像できる。瀬古のクロスに松尾が飛び込む形でゴールが生まれれば、そうしたパフォーマンスも期待できるかもしれない。ホームで迎える今節の名古屋戦、彼ら若手の力で連敗を止め、再びチームに勢いを取り戻してほしい。


文:芥川和久(横浜FC担当)


明治安田生命J1リーグ 第16節
9月13日(日)18:00KO ニッパツ
横浜FC vs 名古屋グランパス
ニッパツ三ツ沢球技場(横浜FC)
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