【徳島 vs 京都】Jリーグ再開。岩尾憲が整理できたもの

2020年7月3日(金)


徳島が活動再開した5月18日。岩尾憲は取材の場で、こう言葉にした。

「この中断期間はJリーグの意味、プロサッカー選手としての意味をすごく考えさせられる時間になりました。命をベースに考えると、あくまでも娯楽や文化の類に入るのだと明確になりました。その上でそれを生業にしている僕たちは、選手として、クラブとして、今後どうやって向き合っていくのかを問われていると思います」

活動再開から約1カ月の時を経て、6月27日に明治安田生命J2リーグは再開まで辿り着いた。再開直前、オンラインの囲み取材で岩尾はある記者から、再開にあたり前述の答えを「何か見出せたのでしょうか?」と問われた。とても興味深い問答に耳を傾けた。岩尾は「鋭い突っ込みしますね(苦笑)」と切り出し、こう続けた。

「スポーツがなぜ愛され、文化とされているのか。それは興行的な側面ももちろんあるとは思いますが、僕は何よりも感情の動きだと思っています。それは、勝って嬉しいといった喜びを爆発させる場所。同時に負けたときの落胆感、悔しさ、苦しさ、もどかしさ、辛さといったネガティブな要素。それらすべてを含めて感情の動きとするならば、サッカーを含むプロスポーツというのは何かしらの感情を動かせるものだと思っています。そして、そこに価値があるのではないかとすごく思っています。
いまは、技術が進化して、サッカーもライブタイムで、家にいながら親指ひとつで(ボタンを押して)観ることができる時代になっています。それでも僕らが勝負できる唯一のポイントは生で観るからこそ人の感情を動かせるとか、映像を通してでも何かを伝えられる・感情を動かすことができるということがスポーツの強みだと思っています。それをビジネスで例えると、(技術が進化して生まれた)ビジネスのリモート会議というのは問題を解決するとか、仕事を進める上で整理することはできます。ただ、そこで感情は動かないと思っていて。そこは大きな差があると僕の中では解釈しています。
だからこそ、僕らは一生懸命にプレーしなければいけないですし、何かに感謝してプレーしなければいけないということは不変だなと。そう、僕の中で(あらためて)整理できました」

そう答えて、最後に「僕の中でです!」と付け加えて笑顔をみせた。岩尾を取材して5年目になるが、まず彼は嘘をつかない。そして、取り繕わない。隠さない。この5年間を振り返ると、発言をただ単に文字起こししてニュースに流せば、脈略が伝わらずに誤解が生じるんだろうなぁーと思うくらいズバッと来る日も何度もあった。岩尾節はときに記者を困らせる(苦笑)。もし、この部分を本人が読むことがあれば笑って欲しい。話を戻して、何を伝えたかったのかというと。いま、岩尾は自分の中で、現時点での答えを見出したということ。

「僕の中でです!」。その表情は、活動再開時に不安や葛藤が滲み出ていたときのものとはまったく違った。

56クラブ、1769名。選手の皆さんが信じる力を、我々に届けてください。


文:柏原敏(徳島担当)


明治安田生命J2リーグ 第3節
7月4日(土)19:00KO 鳴門大塚
徳島ヴォルティス vs 京都サンガF.C.
鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム(徳島ヴォルティス)
みんなの総合評価 (4.2)
臨場感 (3.6)
アクセス (3.2)
イベント充実 (4.0)
グルメ (4.1)
アウェイお楽しみ (3.8)

みんなの口コミで作る「スタジアムナビ」
全スタジアムの新着投稿フォト

編集部オリジナル特集