【大宮 vs 山形】中村駿、多彩なシュートパターンを持つボランチ|山形ウォーミングアップコラム
2019年11月30日(土)
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中村駿(写真)について、チーム最年長のセンターバック・加賀健一に聞いたことがある。
「ボランチって運動量も必要で、守備も攻撃も両方やらなきゃいけない中で、なかなか得点取れるボランチっていないと思うんですよね。チームとしてはボランチから点が取れるというのは強みだと思っているし、J2の中でもボランチで点取ってる選手はそうそういないからすごいと思います。重要な試合でインパクトあるゴールとかアシストというのをしてくれるから、本当にチームは助けられています」
中村は今シーズン、キャリアハイとなる6得点を挙げている。さまざまなバリエーションで記録した得点のうち、加賀に話を聞いたのは今季4点目、第31節・柏戦の直後だった。2-0から1点返されて迎えた58分、群馬でもチームメートだった山岸祐也とのワンツーからニアを打ち抜いた。
スペースのない敵陣ゴール前も苦にすることはない。相手のわずかなギャップに潜り込み、ワンタッチで局面を打開するのは中村の真骨頂だ。その実現の大前提となる運動量もある。その一方、第38節・愛媛戦では約60メートルのロングシュートも決めきっている。シュートパターンのバリエーションは多彩だ。
プロ4年目で初めて迎えるJ1参入プレーオフを前に、「勝たなきゃいけないですけど、それはどの試合でも変わらない」とあくまで自然体だ。このところ、チームとしては思うようなゲームばかりではない。自分たちが持っているものを出せるかどうかの境目がどこにあるのか、聞いてみると、「その日になってみないとわかんないです。そこが一番、42試合やってはっきりしない答えなので」と胸中を正直に吐露するが、だからこそ、「でも練習からやってることしかあのピッチでは何も出せない」と言葉を継いだ。何が起きるかわからないプレーオフでも何か特別なことをするわけでなく、これまで積み上げてきたもので勝負を挑む。
加賀は中村についての話を、こう言って締めくくった。
「シーズン終わるまで、あと5点ぐらいかましてくれれば」
その後、中村は2点を加えてレギュラーシーズンは終了した。あと3点。加賀の希望が叶えられるかはポストシーズンに持ち越された。
文:佐藤円(山形担当)
J1参入プレーオフ 1回戦
12月1日(日)13:05KO NACK
大宮アルディージャ vs モンテディオ山形
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