【横浜FC vs 甲府】熱いハートとクレバーなプレーが武器の左サイドバック、武田英二郎

2019年9月6日(金)


12戦無敗を続け、ついにJ1自動昇格圏の2位に浮上した横浜FC。ここ5試合連続で左サイドバックとしてスタメン出場を続ける武田英二郎(写真)は、「チームは調子いいですし、やることを全員が分かってきている。あと12試合。いま僕たちは2位だけど、勝点1差で5チームが並んでいるから、7位でもほぼ変わらない状況。次の甲府との直接対決がすごく大事になると思う」と言葉に力を込めた。

5月半ばに下平隆宏監督が就任し、ポジションごとにレギュラーが固定されてきている中で、左サイドバックもここに来て武田がポジションをつかんだと言っていいだろう。攻撃力では既に2アシストを記録している大卒ルーキーの袴田裕太郎が上回るものの、「武田さんは頭もすごく働くし、守備でハードワークできる」と、袴田もその差を認める。激しい守備は前任のタヴァレス監督も買っていたが、ともすればアフター気味で荒いプレーが多かった。しかし下平監督体制になってそうした荒さは影を潜め、攻守ともにプレーにクレバーさを増している印象だ。

サイドの攻守をを一人でカバーしなければならなかった5バックから、4バックになり、サイドハーフと組んでのプレーが増えたことが大きい。左サイドハーフは松尾佑介と斉藤光毅が争っている。「松尾と光毅はスーパーな選手なんで、あいつらが持ち味を出せるように考えてプレーしている」と武田は言う。まだ高校生の斉藤や大学在学中の松尾と、既にベテランの域に入った武田がコミュニケーションを取る場面は試合中にも多い。「うまくいかなかった部分はその場で話し合って解決してくれるし、気も使ってくれて自由にやらせてもらってる」(斉藤)、「良かったところは良い、悪いシーンは悪いと言ってくれる。今までずっとこの世界でやってた経験を元に、僕のことを動かしてくれる存在」(松尾)と、二人からの信頼も厚い。

サイドハーフに松尾が入るか、斉藤が入るかで、プレーに微調整も加えている。「松尾は爆発的なスピードがあって、縦からクロスというイメージ。光毅のほうが中に行くのが得意で、カットインからのシュートのイメージ。だからパスも松尾のほうがスペースに流す感じで、光毅のほうは足元につけてあげる感じ。それで光毅は中に行くから、俺は外を回るタイミングを計って、松尾は縦に行くから俺は後ろでサポートして、という感じですね」。また、相手を押し込んだときは中に入って、ボランチであるかのようなポジションを取ることも。マンチェスター・シティをモデルの一つとする指揮官のサッカーをよく理解している。湘南や福岡でボランチを務めた経験も大きいだろう。

そうしたクレバーさ、戦術理解の高さに加えて、指揮官が最も買っているのが、「ファイトするところ」だという。「彼がアグレッシブにプレーし、激しいコンタクトをしたりすることで、彼から熱が伝播してチームの士気が上がるんですよ」。第27節のホーム水戸戦、0−0のまま突入した後半アディショナルタイム。両チームとも疲労の色が濃い中で、武田は突如として爆発的なスプリントで前線に駆け上がって松尾の囮となった。その直後、相手のハンドを審判に猛アピールした場面も、「どうしても勝ちたかったんで」という彼の熱がチームとサポーターを熱くさせた。

いわゆる「頭が良い」と言われるプレーヤーは同時に「冷静」と評されることが多いが、彼は違う。クレバーさと激しさ、熱さを併せ持つ。残り12試合、武田英二郎は頭をフル回転させながら左サイドでハードワークを続ける。

文:芥川和久(横浜FC担当)


明治安田生命J2リーグ 第31節
9月7日(土)18:00KO ニッパツ
横浜FC vs ヴァンフォーレ甲府
ニッパツ三ツ沢球技場(横浜FC)
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