【磐田 vs 松本】 ウォーミングアップコラム: 着実なステップアップを繰り返してきた苦労人・中山仁斗。苦労した背景にあった役割の変化とは?

2019年5月7日(火)


今年から磐田に加入し、大先輩・中山雅史と1文字違いの中山仁斗(写真)は、”ゴンちゃん”という愛称でチームメイトからも親しまれている。大阪産業大学を卒業後、J3の鳥取でプロキャリアをスタートさせて、山口、山形とJ2での経験を経て、着実にステップアップを遂げてきた苦労人だ。

しかし加入後は、順調なことばかりでもなかった。まず待ち受けていたのは、ストライカーの定位置争い。川又堅碁、ロドリゲスらリーグ戦主力メンバーの影で、中野誠也、小川航基ら若手としのぎを削ってきた。また3月の沼津との練習試合では、前半で交代を命じられる苦い経験もした。「自分としては動いている感覚はあったけど、監督から見たらそんなにボールを引き出せていないという評価だった」と当時のことを振り返った。

その背景には、求められる役割の変化があった。「山形の時よりも裏に動く動きに加えて、クサビを引き出す回数や(前線で)起点になる動きが求められる」とこれまで求められてきたストライカーとしての役割にも変化があった。磐田では、最前線の選手に“ボックス脇で起点を作る動き”がより求められている。「ボールを持ってない時にどれだけゴールに向かう動きや、出し手が出しやすい動き出しをするかというのは常に意識しています」と日頃の練習から心がけ、意識的に改善を図ってきた。

日頃の練習での積み重ねが徐々に結果に結びつき始める。2得点を挙げた松本戦は、中野誠也と2トップを組んだが、名波浩監督は、「中山が13回、中野が14回、相手の背後のボックス脇に動き出していて、2人で27回という数字はもの凄く良い数字」とその仕事ぶりを試合後に高く評価していた。そして4月29日の相模原との練習試合でもチームを勝利に導く2得点。特に決勝点となった2点目は、本人も得意と明かした芸術的なボレーシュートを決めて、着実に結果を出し続けた。その結果、訪れた念願のJ1デビュー。J1第10節・浦和戦、スコアレスで迎えた状況で76分から途中出場。5万人以上が詰めかけた埼玉スタジアムのピッチに立った。「J3は、3000人入れば多い方のリーグ。だから5万人というのは想像できない感じだった。その中でプレーできたというのは本当に喜ばしいこと」と念願の舞台を振り返った。ただ「途中出場しても結果を残す。時間が短くても求められること」と結果を出せなかったことに悔しさも露わにした。

自身のキャリアと同様に、磐田加入後も着実なステップアップを遂げてきた。今後継続的な出場機会を得るためにもまずは、課題の克服はもちろん、今の良いパフォーマンスを継続していくことが求められる。まだまだ磐田での序章に過ぎない中山が、これからどんな成長を見せてくれるか。まずは、ルヴァンカップグループステージ突破の可能性もある今節・松本戦での活躍に注目したい。

文:森亮太(磐田担当)


JリーグYBCルヴァンカップ 第5節
5月8日(水)19:00KO ヤマハ
ジュビロ磐田 vs 松本山雅FC
ヤマハスタジアム(磐田)(ジュビロ磐田)
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