【徳島 vs 栃木】 ウォーミングアップコラム:熱を帯びさせる佐藤晃大。

2019年5月4日(土)


ピッチに立てば、スタジアムの熱が上がる。

ただ有名で、ただ技術が高いだけで、そうはならない。クラブの歴史に関与し、チームメイトから認められ、ファン・サポーターから愛される選手だけが持つ個性。

そういった選手は全クラブにおいて、毎年のように存在しているわけではない。だが、いまの徳島にはいる。前節・京都戦(0△0)で今季初先発した佐藤晃大(写真)がそうだ。東海大学卒業後、徳島ヴォルティスでプロ生活をスタート。献身的なプレーで周囲からの信頼を勝ち取り、少しずつ出場機会を増やしながら初めて徳島がJ1昇格争いに名乗りを上げた11年には自己最多の9得点を挙げてチームをけん引。また、同年にはクラブ初のハットトリックで歴史に名を刻んだ。

また、その評価を持ってG大阪からオファーを受け、12年は初のJ1リーグ挑戦にも関わらず11得点の大活躍した。とはいえ、華々しいプロ生活ばかりではない。同年終盤に右膝前十字靭帯損傷で全治8カ月の重症を負った。ただ、コツコツと努力できる性格は、どんなカテゴリーに行っても、窮地に追い込まれても変わらなかった。残念ながらJ2降格して13年を戦ったG大阪だが、佐藤はしっかりとリハビリを積んで古巣相手の第38節・徳島戦で復帰を果たして1年でのJ1復帰にも貢献。また、J1復帰直後の14年にはG大阪の大逆転優勝が懸かった大一番の第32節・浦和戦(2○0)で、終了間際に優勝の軌跡につながる値千金の先制弾を挙げて勝利に導いた。そして、何の因果か最終節は徳島との対戦。徳島も粘りに粘って引き分けに持ち込んだが、他会場の結果もあってG大阪が鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアで14年度のJ1優勝を決めた。出場機会はなかったものの、佐藤もベンチ入りしてその栄冠をともに掴んだ。

そして、翌年15年に徳島へ電撃復帰。大舞台を経た後も、プロ初年度から変わらぬ献身的な姿勢でピッチに立った。ただ、徳島に復帰後は思うようなコンディションでシーズンを過ごせずに苦労している。だが、コンディションを上げてメンバー復帰すれば、未来のことなど計算するでもなく全力でピッチを走り、泥臭いプレーで自らを犠牲にする。

そんな姿を全員が知っているからこそ、佐藤がピッチに立つとスタジアムの熱量は上がる。「佐藤、アレ」。サポーターのチャントが鳴り響くたび、メインスタンドからもバックスタンドからも自然と手拍子が起きる。そんな光景を他の選手でも同様に観えるかと問われれば、一概にそうは言えない。佐藤にはスタジアムを1つにする、不思議な力がある。

「先発でも、途中出場でも、どの試合も出場する準備はできています。結果を残して、勝点3を取るだけです」

発する言葉は、変わらず控えめ。そこがまた、らしい。

文:柏原敏(徳島担当)


明治安田生命J2リーグ 第12節
5月5日(日)14:00KO 鳴門大塚
徳島ヴォルティス vs 栃木SC
鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム(徳島ヴォルティス)
みんなの総合評価 (4.2)
臨場感 (3.5)
アクセス (3.1)
イベント充実 (3.8)
グルメ (3.9)
アウェイお楽しみ (3.7)

観戦アドバイス大募集!スタナビ「スタジアムグルメ」投稿キャンペーン!

移籍情報