【栃木 vs 長崎】 ウォーミングアップコラム:守備職人、岩間雄大。「原点」長崎戦前の誓い。

2019年4月19日(金)


「思い入れのあるクラブです」

今節の古巣長崎戦を前に岩間雄大(写真)は言った。

今や守備職人としてJリーグに名を馳せる岩間だが、実は苦労人である。

東京ヴェルディジュニアユースから籍を移した堀越学園を卒業したあと、プロ入りを目指したが叶わず、ブラジル留学やFCコリアなどを経て、当時JFLのアルテ高崎に辿り着いた。

今から10年ほど前の話だ。まだサッカー以外の時間は毎日を食い繋ぐためにお金を稼がなければいけない身だった。工場、居酒屋、ゲームセンター、スクール……。ありとあらゆるバイトをこなしながら凌いだ期間は4年におよぶ。

「当時の自分を知る人たちは、よくぶれなかったね、と言ってくれますが、プロになるという思いはまったくぶれなかったし、それが辛いとも思っていなかった。これで俺はプロに行くぞ。そう決めていたし、同じ思いを持った仲間がたくさんいたから乗り越えられたと思っています」

夢半ばで諦めていく仲間もいる中、生き残った岩間がアルテ高崎の主将として懸命にチームを引っ張っていた2010年の暮れ、人生で初めてプロ契約の提示をしてきたクラブがあった。それが当時、J2昇格を至上命令としていたV・ファーレン長崎だった。

2011年、長崎に加入した岩間はキャプテンマークを任されてチームを牽引し、翌年にJFL優勝とJ2昇格に貢献する。そして2013年、岩間は27歳にして初めてJリーグの舞台を踏んだ。その後、松本山雅に移籍したあとに二度のJ1昇格に貢献、昨季はJ2制覇に尽力した岩間のキャリアは成功のシンデレラストーリーだが、その原点は長崎にある。

「プロになること。Jリーグでプレーすること。長崎はそのいずれも叶えてもらったクラブなので感謝しかありません。当時一緒に戦った選手、スタッフ、そしてサポーターに、33歳になった岩間は今でもこれだけのプレーできるんだぞ、というのを見せたいと思います」

すでに今季加入した栃木でも不可欠な存在となった岩間は、前節のアウェイ柏戦でも守備職人ぶりを発揮。相手の強力な攻撃陣の前に立ちはだかり無失点の守備に貢献した。

「守備を立て直せた手応えはあります。でも、勝てていないのも事実。ホームで勝点3を奪うために、柏戦の守備はそのままに攻撃回数を増やさないといけないし、増やせると思っています」

古巣長崎への恩返しの気持ちも込めて、岩間が全身全霊のプレーを見せる。

文:鈴木康浩(栃木担当)


明治安田生命J2リーグ 第10節
4月20日(土)18:00KO 栃木グ
栃木SC vs V・ファーレン長崎
栃木県グリーンスタジアム(栃木SC)
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