【甲府 vs 金沢】 ウォーミングアップコラム:まだ見ぬJ1でプレーするためにここで闘っている

2019年3月22日(金)


チームは好調。4試合で3勝1分け3位。現状に満足しつつも、試合に出ている選手と出ることができていない選手の対比はしてしまう。シーズンは始まったばかりだし、プロフェッショナルな世界で競争があるのは当然。満遍なく選手が出場機会を得ることなんてあり得ないことは分かっているものの、気になる選手がいる。佐藤洸一(32歳)。今季金沢から移籍してきたFW。クラブは負けている試合や勝ち切らないといけない試合のスーパーサブとしての起用を想定していたと思うが、ピーター ウタカがもう一つだったら先発も有り得た。でも、ウタカは4戦4ゴールで好調。嬉しいけれど、実績がある選手にチャンスが来ないプロの世界は厳しいなぁ…とも思う。

J2通算349試合出場で89ゴールという実績。17年は金沢でリーグ戦42試合すべてに先発して16ゴール。甲府がJ1で戦ったシーズンなのでそのシーズンのプレーは見ていないけれど、ケガが多いポジションで長丁場のJ2リーグ戦で全試合先発して最終順位が17位だった金沢で16ゴールを挙げるということはもの凄いこと。終盤の負けなしだった7試合(4勝3分)では5ゴールを決めてJ2残留に大きく貢献したことはデータを見るだけも分かる。プロ11年間で30試合以上出場したシーズンが8シーズンで、そのうち40試合以上が3シーズン。プロ1年目を除けば常にコンスタントに出場し二桁得点を挙げたシーズンは5シーズンとJ2リーグで圧倒的な結果を残してきた。キャンプ中、「J2の実績が凄いね」というと、「でも、1回もJ1でやったことがないですからね…。J1でやりたいですよ」と答えたのが印象的だった。

ここまで全試合ベンチ入りも出場のチャンスはなかった。前節の長崎戦(2-0○)後、スタンドに挨拶をして戻ってきた選手をメインスタンド下で見ていた。スタンドの庇の下に入った佐藤洸を家族が出迎えて、小学校3年生の長男と無言で小さく控え目なハイタッチするのを偶然見かけた。“パパの出番はなかったけどチームが勝ってよかったね”、“出られなかったけど応援に来てくれてありがとう”という会話が聞こえてきそうな息子と父親に見えて、グッと心を締め付けられた。ウタカやドゥドゥは甲府のエースだけど、佐藤家のエースはどんな時でも洸一。甲府が負けたり苦戦したりすることは望んでいないけれど、金沢の元エースが、金沢戦で“J1に行くためにここに来て闘っている”という姿を見せるチャンスがあることを願っている。

文:マツオジュン(甲府担当)


明治安田生命J2リーグ 第5節
3月23日(土)14:00KO 中銀スタ
ヴァンフォーレ甲府 vs ツエーゲン金沢
山梨中銀スタジアム(ヴァンフォーレ甲府)
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