【神戸 vs 鳥栖】 ウォーミングアップコラム:GK前川黛也がリーグ戦デビュー。ナンバー「1」の躍進、いよいよ。

2018年11月9日(金)


大卒2年目のGK前川黛也(写真)が、前節の名古屋戦でリーグ戦デビューを果たした。韓国代表GKキム スンギュの“代役”ではなく、彼を控えに回しての出場には大きな価値がある。しかも、ファン マヌエル リージョ監督の53歳のバースデーに、好セーブ連発で白星というプレゼントももたらした。チームとしても8試合ぶりの勝利で、J1残留を手繰り寄せる1勝。前川のプロ人生が、ここから大きく動き出す予感すら感じる。意味のあるデビューだった。

関西大学から神戸に加入したのは2017年。元日本代表GKを父に持つサラブレッドとして脚光を浴びた191㎝の長身GKは、クラブの期待を示すように正GKの背番号「1」を背負った。だが、ルーキーイヤーの昨シーズンはキム スンギュ、徳重健太(長崎)の存在が大きく、カップ戦を含む公式戦の出番はなし。徳重の移籍でチーム内序列が上がった今シーズンも、天皇杯1試合、ルヴァンカップ7試合に出場したものの、ここまでリーグ戦での起用はなかった。それでも決して腐ることはなく、日々のハードなトレーニングを黙々と続けてきた。

「いつ試合に出ても大丈夫なように準備をしていた。(リージョ)監督から先発で使うと言われたのは名古屋戦の2日前。その時は驚いたし、当日は緊張もした。でも、やるしかないと腹をくくった」

名古屋戦はJ1残留を左右する直接対決。両肩に大きなプレッシャーがのしかかった。スタジアムは4万人を超す大観衆。試合開始のホイッスルが鳴っても緊張は解けなかった。

だが、幸いにも開始約3分の1プレーで緊張が解けたと話す。

「(開始3分頃に)ジョーの1本目のシュートを止められたことで緊張がなくなった。そこからは冷静にプレーできたと思いますし、自分の特徴の一つでもあるビルドアップの部分でも、少しは見せられたのかなと思います」

後半開始早々には玉田圭司に技ありゴールを許したものの、それ以外は名古屋の攻撃をシャットアウト。貴重な勝点3を呼び込んだ。

だが、前川におごりはない。キム スンギュからスタメンを勝ち取ったことに対して感想を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「結果がなかなか出ない中で、チームとして何かを変えないといけない雰囲気があった。(スンギュに勝ったというよりは)そういう状況だったのかなと思います。自分としては今まで通り、おこたらず、これからも準備をするだけです」

いつか日本を代表するGKへ。そんな期待をナンバー「1」に宿す前川が、文字通り日本No.1の守護神になるのは、もう少し先の話かもしれない。だが、着実に歩を進めているのも事実。今回のリーグ戦デビューは、一つの成果であり、スタートラインに立ったことを意味している。

文:白井邦彦(神戸担当)


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