【新潟 vs 甲府】 ウォーミングアップコラム:新潟だから――。地縁が交錯する甲府戦、生え抜きの川口尚紀が奮い立つ

2018年6月19日(火)


箇所は置いておくとして、昨年来、苦しめられる痛みは不規則に訪れる。PK戦までもつれ込んだ今月初めの天皇杯2回戦・高知ユナイテッドSC戦に右サイドバックとしてフル出場した川口尚紀(写真)が、その後、一時トレーニングを離れていた理由はそれだ。現在はすでにトレーニングに合流。プレーできる状態にある。
 
甲府がルヴァンカップのプレーオフに進んだため、20日に延期された第17節を前に、チームのサイドバック事情はにわかにひっ迫している。両サイドバックを務め、ここまで全18試合に先発フル出場し、先週の第19節福岡戦では決勝FKを突き刺した安田理大が、甲府戦は警告の累積で出場停止。コンディション不良の堀米悠斗は現在、別メニューだ。
 
川口自身は開幕の讃岐戦に先発したが、リーグ戦はここまで3試合の出場にとどまっている。現在はプロ2年目の原輝綺が右サイドバックのレギュラー。チーム状況も踏まえ、発奮するのは当然である。
 
「ケガ人も増えているし、出場停止の選手も出てくる。いつ出番が回ってくるか分からないし、そうなっても良いように、準備はできています」
 
自分と同じようにリーグ戦でなかなかチャンスが来なかったDF大武峻が福岡戦で途中出場し、素晴らしいプレーぶりだったことも、大いに刺激となっているだろう。
 
発奮材料はこれだけではない。川口にとって甲府には縁浅からぬ人々がいる。上野展裕監督には、新潟ユース(現・新潟U‐18)時代に指導を受けた。
 
「上野さんのやろうとすることは分かっています。攻撃は流動的で、守備は激しい。そして攻撃も守備も、チーム全体で行う。システムの違いからマッチアップなど、うまくいかない時間もあると思うけれど、どれだけ粘り強く、自分たちの狙いを出せるかの勝負になる」
 
そして甲府の攻撃のキープレーヤーである小塚和季は、同い年で同じ新潟県の中越地方出身、小学生のころからしのぎを削り、2013年、新潟の同期としてプロになった間柄だ。
 
「自由に配球させないことが何より大事。天才であるがゆえに、リズムを乱すところがあるコヅの性格や特徴は、チームのみんなもよく分かっている。チーム全体で厳しくプレッシャーを掛けることになるでしょう」
 
言葉の端々から、小塚封じに気合が入るチームの空気が伝わってくる。
 
甲府戦までの準備期間は3日間。その初日は福岡戦で先発したメンバーはリカバリーとなり、トレーニングは限られた人数で行われた。そこで川口がコンビを組み、一緒にウォーミングアップをしていたのが、ユース時代の一つ先輩であり、2011年のU-17ワールドカップにも共に出場した早川史哉だった。
 
筑波大学を経て2016年に新潟でプロとなり、開幕戦で先発デビューした早川は、その年の4月に急性白血病と診断され、寛解に向けて現在も治療中だ。今ではU-18のトレーニングに参加するまでになった早川は、この日、U-18が遠征中ということもあり、トップのトレーニングに参加したのだ。
 
「楽しかったですね。史哉君もヤス君(渡辺泰広)もフチさん(片渕浩一郎ヘッドコーチ)もいて」。GK渡辺泰広はユースの二つ上、片渕ヘッドコーチは高校1、2年当時、ユースの監督だった。
 
「史哉君は相変わらず技術がある。それに体も出来上がっているし、よく走れる。ここから楽しみです」
 
早川がプロになった2016年、川口は清水に期限付き移籍中で、プロの試合では、まだ一緒にプレーしていない。
 
プロ6年目でポジションをつかみ切れていない危機感は、もちろんある。加えて、“新潟育ち”の自覚が「今年は勝負の年」だと促す。ユースの先輩で、昨シーズンはキャプテンを務めた大野和成が湘南に移籍し、気が付けばアカデミー出身のフィールドプレーヤーとしては、チーム最年長になった。
 
新潟という土地の縁が、さまざまに焦点を結ぶ甲府戦。第6節以来のメンバー入りを果たすとすれば、その胸中に湧き上がる思いには、また特別なものがあるはずだ。

文:大中祐二(新潟担当)


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