【藤枝 vs 相模原】 ウォーミングアップコラム:2試合で5得点の固め取り。新エース・谷口堅三の頼もしさとは

2018年6月1日(金)


ここ2試合で5得点を挙げて藤枝に今季初の連勝をもたらし、前節の古巣・盛岡との対戦ではプロ初のハットトリック。これで一気にチームの稼ぎ頭となり、得点ランキングでも3位に急浮上した谷口堅三(写真)。新たなエースとして今季から加入した点取り屋が、ようやく本領を発揮し始めている。

だが、開幕から9節まで7試合に出場(4試合で先発)した中ではノーゴールが続き、彼自身も本当に苦しんでいた。
「移籍してきてFWとして最初に何をしなければいけないかって、やっぱり点を取らないと、周りの選手にもサポーターにも認めてもらえないですよね。練習試合でいくら点を取っても、やっぱり公式戦で取らないと何も変わらないので、結果を残せなかった時期は正直精神的に大変でした」(谷口)
それでも「どういう状況でもチームのことをいちばんに考えて、周囲にも声をかけてくれている」と大石篤人監督も彼の人間性を高く評価しており、腐ってチームの雰囲気を悪くするという心配は一切ない。
鹿児島市の出身で、高卒で当時J2の鳥栖に入ったが4年間で花開かず、その後は鹿児島県リーグ、九州リーグ、JFL、J3(盛岡で3年間)と徐々にステップアップしてきた12年目の29歳。その中で数々の苦難があったことは想像に難くないが、つねに前向きに乗り越えてきた。ふだんの明るさや人当たりの良さを見ると、そんな苦労人にはとても見えないが、どんなときでも他人のせいにすることなく、しっかりと自分に向き合ってきたからこそ身についたポジティブさやタフさなのだろう。

今季序盤の苦しい時期でも、自分を見つめ直して地道に努力を重ねたことが復調につながった。
「ゲームに出てコンディションが落ちていたので、それは自分の身体の作り方が問題だったのかもしれないですし、監督からも指摘されたので、ケガもあって試合を外れた時期に自分の身体を見つめ直して、スタッフと一緒にコンディションを上げられたことが、今につながっていると思います。その意味では、サポートしてくれたトレーナーの鈴木(一正)さんや新井(健太)コーチ、増嶋(真也)コーチには本当に感謝していますが、彼らにお礼を言うのは、シーズンが終わって自分が結果を残した後にしたいと思っています」(谷口)
ただ、エースの仕事は、たまに固め取りすることよりも、チームが苦しい時でもコンスタントに点を取り続けることだ。大石監督もそれを谷口に求めているし、谷口自身もそこは十分に理解している。
「今はやっとスタートを切れたところですし、加入会見でも大石監督から得点王を争ってほしいと言われてますし、自分もそのつもりでいます。点が取れたことで、チームメイトも僕を信頼してパスをくれると思うし、僕自身も落ち着きが出てゴール前で自分の持ち味を出しやすくなっていると思っています。もちろん、まだまだ危機感のほうが強いですが、もっと貪欲にボールを要求して、それをしっかりと決めていきたいです」(谷口)

5得点のうち2点はPKによるものだが、どちらも冷静かつ確実に決めており、その他の3得点はすべて異なるパターンで、ストライカーとしての能力の高さはしっかりと示している。水曜日(5/30)に行なったJ1の清水エスパルスとの練習試合でも、Aチームを相手に落ち着いて1ゴールを決めた。
藤枝には毎年10点以上取っている選手がいることからもわかるように、クロスやチャンスボールはJ3の中でもかなり多いチームだ。今季はまだその本領を発揮できていないが、最近の試合ではチーム全体としてボールの動きが良くなり、チャンスの数は確実に増えつつある。そこに谷口の決定力がシンクロしてくれば、藤枝総合運動公園が歓喜に沸くシーンも自ずと増えてくるはずだ。

文:井上慎也(藤枝担当)


明治安田生命J3リーグ 第12節
6月2日(土)13:00KO 藤枝サ
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