【神戸 vs 札幌】 ウォーミングアップコラム:国を背負う覚悟とは…。韓国代表GKキム スンギュの挑戦

2018年5月19日(土)


5月14日。FIFAワールドカップロシア大会に向けた韓国代表トレーニングキャンプメンバー28人が発表された。神戸からはチョン ウヨンとキム スンギュ(写真)の2人が選出されている。ここから本大会までに代表は23人に絞り込まれる。GK3人に関しては、おそらく“ふるい落とし”の対象ではなく、今回選ばれた3人がほぼ当確。アクシデントがない限り、スンギュの2度目のワールドカップ行きは決まったと見ていい。

「GKは3人で確定だと思うので、23人に残るというよりは、いかに試合に出るかが大事。監督がやりたい戦術に適応して、力を発揮したい」と、本人も話している。

スンギュが神戸にやってきたのは2016年シーズンから。新加入選手発表会の席では、ロングスローが武器と発言した藤田直之に対抗し、「私はハーフウェーラインまで投げられる」と負けず嫌いをのぞかせ、サポーターの心をつかんだ。

実際、試合でも強肩をたびたび披露している。だが、驚かされたのは強肩よりも、脅威のシュートストップや正確なパントキックなどGKとしての総合力だった。

今季もスンギュがいなければ、もっと失点(現在17失点)していた可能性はある。チームが、勇気をもって最終ラインからボールをつなぐポゼッションサッカーに移行する中で、シーズン序盤は悪い位置で奪われてカウンターを食らうシーンが目立っていたからだ。別の言い方をすれば、彼の存在がなければ、ポゼッションサッカーの構築はもっとスローペースだったとも言えなくはない。

「韓国にいた頃から、GKからビルドアップするプレースタイルをやりたかった。神戸ではそれができている。そこは個人として成長できている部分だと思う」

今節の札幌戦後、いよいよワールドカップモードに突入する。改めて、国を背負う意味を問うと、次のような答えが返ってきた。

「国を代表して戦う重みも感じます。でも、それ以上に韓国でサッカーをするすべての人の代表だという自覚がある。サッカー選手である以上、誰もがワールドカップを目指すと思いますし、欲としてそこにあるものだとも思います。そういう方たちの代表として戦うわけですから、下手な試合はできないですし、簡単に崩れてはいけないと思っています」

この質問の“国”を“神戸”に置き換えても、おそらく同じような答えが返ってくるに違いない。彼にとってピッチに立つというのは、覚悟を背負うことと同義だからである。ワールドカップ前の最後のリーグ戦、スンギュの魂のセーブを見届けたい。

文:白井邦彦(神戸担当)


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