【川崎F vs 清水】 ウォーミングアップコラム:奈良竜樹のブレない信念

2018年5月19日(土)


思い切って聞いてみた。奈良竜樹(写真)にだ。

「去年の奈良竜樹が帰ってきたのでは?」と。

それで含意は伝わった。

今シーズン序盤。奈良にはミスが続いてしまっていた。気持ちが入りすぎていたのか、適切な判断ができず不要なファールを与える場面が散見された。相手のプレスに慌ててしまい、ボールコントロールをミスするような場面も見られた。その結果として、一度はポジションを失ってしまう。

ただ、そこで奈良は腐らなかった。淡々と練習に打ち込み鬼木達監督からの信頼を得るとともに巡ってきたチャンスを掴む。谷口彰悟とのCBコンビは堅牢さを回復し、去年のような連携が戻ってきているように感じていた。だから聞いてみたかったのだ。シーズン序盤に何が起きていたのか?奈良の答えは淡々としたものだった。

「別に、今シーズンの序盤に何があったかというと特に変わりないです」

意外な答えだったが、逆に言うと今季ここまでに起きてきたことについてはその結果から逃げないということ。結果と向き合ってきたからこそ、今がある。

「でもそこでやり続けたからこそこういうふうに良い状態になってると思います」

そんな奈良の受け答えの中で印象的だったのが「運」に言及していたこと。

「(良いことも悪いことも)それは運だったりそういうものだと思ってる」のだという。

どういうことか。奈良自身は常に全力だということ。その結果が相手の決定機を阻止するファインプレーになるのか、失点につながるミスになるのかは分からない。運の要素が介在してくるからだ。ただ、運が作用した結果を恐れることはないのだともいう。何故ならば彼には確固たる信念があるからだ。

「一番大事なのはここ(麻生での練習)だと思ってるので。ここでいかに上手く行っているのか。ここでちゃんとやっていなくて、上手く行っていないならそれは大きな問題ですが、ちゃんとやってる中で結果的にそうなったところでそれはそれで仕方ないので」

失点に絡もうと、ベンチを温めようと、奈良は練習でやれているという自信を胸に日々を過ごしてきたということ。だから振り返った時に何か特別なことが起きたという認識はないということなのだろう。

もちろん「失点に絡んだりすればチームに申し訳ない、という気持ちはあります」と打ち明けるが「それで今年に関してはそんなにそれで気持ちがブレることはなかったですね」と言葉を続けた。そういう強気なところが奈良らしくていい。

この清水戦でも、全力プレーを見せてもらいたいと思う。そして相手を押し込む攻撃陣を最終ラインから支え、その代償として受けざるを得ない相手のカウンターを止め、攻撃陣に飄々とパスを繋げてほしいと思う。

文:江藤高志(川崎F担当)


明治安田生命J1リーグ 第15節
5月20日(日)15:00KO 等々力
川崎フロンターレ vs 清水エスパルス
等々力陸上競技場(川崎フロンターレ)
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