【名古屋 vs 広島】 ウォーミングアップコラム:ホーシャが復帰するかもしれないという朗報。野性味あふれるファイターが、チームの闘志を呼び起こす。

2018年4月17日(火)


3試合で10失点を喫している“ルヴァンの名古屋”に、大幅なテコ入れがされる可能性が出てきている。明治安田生命J1リーグ3節の湘南戦で負傷し、その後5節の鳥栖戦で復帰したものの、前半限りで再び戦線を離脱していたDFホーシャ(写真)が、かなり状態を上げてきているのである。全体練習に復帰したのはリーグ8節の鹿島戦翌日とまだ時期尚早との見方もあるが、風間八宏監督は「今日(16日)は悪くなかったよ」と早速の起用に含みを持たせている。本人は「自分としては土曜日が戻る試合になるかなと思っているけど」と慎重だったが、「でも、要請があればもちろん準備するよ」とスクランブル起用に応じる構えも見せている。

もっとも、「要請があれば」という言葉は嘘かもしれない。前述の復帰を果たした15日の練習で、ホーシャはオーバーヒート気味にハイテンションだった。3対3のシンプルなゴール前の攻防の練習から既にその眼光はギラギラとボールを睨みつけ、小柄な選手の多い攻撃陣をなぎ倒すようにゴールを守った。主力組は前日の試合のリカバリーで不在のため、最後は狭いコートでのミニゲームで締めたのだが、ここでもパワフル極まりないディフェンスでチームメイトを圧倒。流れ的にマークすることの多くなった18歳の大垣勇樹は半ば削られるようにして何度も突破を阻まれ、練習終了後にはキャプテン佐藤寿人が「落ち着けよ」となだめたほどだった。荒々しいまでのプレーぶりは、サッカーができる喜びとともに、実戦への飢えのようなものが感じられたものだ。ホーシャ本人はといえば、「感触は良かった。本当に練習を楽しめた」と、屈託のない笑顔で話している。

負傷した右足首にはまだ分厚くテーピングが巻かれているが、それもまったく気にする素振りは見せない。激しくボールに対し、人に対してのプレーをこなした後は心肺機能を戻すため、じっくりとピッチ外周を走り込んだ。たっぷり走ってぐったりしているところを楢崎正剛に「大丈夫か?」とからかわれもしたが、日本語で「ダイジョーブ!」と返事し続いてヘディングしながらの腹筋へ。これでもかと練習を重ねる姿には、水曜日に試合に出ろと言われても、対応できるだけのコンディションを作っておこうという意気込みが感じられた。


ただし、闇雲に復帰を焦っているかといえばその逆だ。「前回の負傷(鳥栖戦でのもの)は自分が予期していないところでのものだった。今回はその経験を踏まえてより慎重な復帰を考えてはいる。同じことを繰り返さないように」と、三たびの離脱には強い警戒心を見せる。「ピッチから離れていてもチームの様子を気にかけていましたし、その部分も含めてここからチームに貢献できるようにしたい」としつつも、「また戦列を離れることがないように」とあくまで慎重ではある。ピッチ内では情熱的に、プレーが終われば冷静さを保つ。思慮深いファイターをどのようにコントロールするかは、指揮官の心ひとつだ。彼の意欲をうまくチームの力に変えるには何がベストの選択なのか、チームの決断にはひとつ注目である。

「チームの置かれた状況は非常に良くない。我々はクオリティの高い選手が揃っているので、その点でも自分たちが望んでいる結果にはなっていない。しっかり現状を見据え、修正すべき点を正して、再び自分たちのクオリティをピッチで発揮できるようにしたい。自分が復帰できることについては、本当に喜びしかないよ」。

ホーシャは謙虚に語る。彼の復帰が全てを変えるわけではないだろうが、主力の復帰は停滞しているチームの雰囲気に風を吹き込むことは間違いない。もし試合に出れば、その闘志がチームを鼓舞することも間違いない。相手は公式戦いまだ無敗の広島だが、名古屋は微塵も恐れない。その最後尾に背番号36がいてくれるなら、なおのこと攻撃的な姿勢で強敵に立ち向かうことができるはずだ。

文:今井雄一朗(名古屋担当)


JリーグYBCルヴァンカップ 第4節
4月18日(水)19:00KO パロ瑞穂
名古屋グランパス vs サンフレッチェ広島

スタジアムナビ