【藤枝 vs YS横浜】 ウォーミングアップコラム:今季の陰のMVP、浅田大樹。ゲームキャプテンとして最終節にかける秘めた想い

2017年12月2日(土)


最終節を前にして勝点46で8位の藤枝は、シーズン当初の目標が「トップ5」。今節でYS横浜に勝ち、5位の長野(勝点49)が負けて、6位の琉球(47)と7位の富山(47)が引き分け以下に終われば5位に上がるので(得失点差は長野より2点少ないが、それも追いつき、総得点で上回る)かなり他力ではあるが、目標達成の可能性を残している。

それだけでなく、多くの選手に慕われている三好洋央の引退(前回参照)や、キャプテンの福王忠世、主力の平石直人をはじめとする9人の契約満了が発表されており、彼らを「勝利で送り出したい」という気持ちも非常に強い。

そんな中で一際勝利にこだわっているのは、今季は第9節以降ずっとゲームキャプテンを務めているDF浅田大樹(写真)だ。
第2節で福王が負傷して長期離脱となった中、序盤戦は守備が安定せずにチームとして苦しんでいたが、9節からそれまで左ウィングバックを務めていた浅田を3バックの左に下げ、中央に川島將、右に鮫島晃太という配置に変更。それが功を奏して北九州に2-0で勝利し、その形を継続し始めてからは、3失点以上が1試合だけ(8節までは3試合)、無失点が8試合と守備が安定した。また、浅田はボールを持ったときも非常に冷静でミスが少なく、後ろからパスをつないでいく藤枝スタイルを頼もしく支えてきたことによって、順位もジワジワと上がってきた。

大石篤人監督も、「3バックが決まらなくてチームが難しい中、浅田が3バックに降りてゲームキャプテンを引き受けて、チームに安定をもたらしてくれました。多くを語る選手ではないですが、プレーでしっかりと表現してくれますし、人徳もすごくあって他の選手たちが本当についてきている。僕としても本当に感謝しています」と語る。
これまで12点ずつ決めている枝本雄一郎や遠藤敬佑の活躍も光るが、浅田は陰のMVPと言える選手だ。

もう1人の陰のMVPと言える右ウィングバックの久富良輔も、浅田をとくに慕う選手の1人だ。
「アサさん(浅田)は、強く鼓舞してチームを引っぱるタイプじゃないですけど、本当にメンタルがブレないというか、つねに安定したプレーができますし、人間性の良さもすごくにじみ出ているので、みんなが自然とついていけると思います」(久富)
DFラインでコンビを組む川島も、「アサさんは、試合の中でもピッチ外でもすごく周りが見える人で、いつも気を使ってくれています。だから、ゲームキャプテンとしても適任だと思いますし、すごく信頼がおける人です」と語る。

浅田本人も、ゲームキャプテンを務めることは、自分にとって大きなプラスになっていると言う。
「以前は練習も試合も淡々というか黙々とやるタイプでしたが、キャプテンマークを巻くことによって、より声を出したり指示をしたり、全体を引っぱっていくという意識が強くなりました。年齢的にもそれが必要になってきますし、そこは自分の中で成長できた部分だと思います」

また、浅田といえばピッチ外での活躍も忘れてはならない。
彼を中心に久富や川島も参加して“#浅田劇団”が生まれ、ピッチ外でのおもしろ動画を数多くSNSにアップし、ファンを楽しませている。選手や監督の誕生日に、小芝居を入れながらのお祝い動画をアップするのも恒例企画だ。
「お客さんにも『あれ、おもしろいね』とか言ってもらえるので、やっていて楽しいですよ。J2に上がるにはまだ観客数が足りないですし、どんなきっかけでも良いので注目してもらって、『試合も観に行ってみようかな』と思ってもらえればいいなと思っています」(浅田)

今季最後の戦いに向けては、
「1年間一緒に戦ってきた仲間とやる最後の試合なので、集大成というか藤枝のパスサッカーというのをお客さんに見せて、『来年もまた応援したい』と思ってもらえるような試合をしたいです。ミヨさん(三好)の最後の試合ですし、忠世さん(福王)とかチームを離れる選手もいるので、そういう仲間の想いも出る選手たちが背負って、必ず勝って終わりたいです」と語る浅田。

2年前に同期で藤枝に来た三好にはとくに思い入れが強く、「ミヨさんが出たら何とか点を取ってほしいです。本当に取ったら泣いちゃうかもしれないですが(笑)」と言う。同じ想いを持つ他の選手たちも、頼れるゲームキャプテンの下で一致団結し、シーズン終了の笛が鳴るまで全力で勝利とゴールを目指し続けるはずだ。

文:井上慎也(藤枝担当)


明治安田生命J3リーグ 第34節
12月3日(日)13:00KO 藤枝サ
藤枝MYFC vs Y.S.C.C.横浜

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