【盛岡 vs 相模原】 ウォーミングアップコラム:静かに迸る復帰への闘志。八角大智の逆襲が今始まる

2017年11月11日(土)



昨夏に加入して以来、主力に定着していた八角大智(写真)だが、今年8月末のトレーニング中に左膝内側側副靭帯を損傷。プロになってからは初めての長期離脱を経験した。

「プロである以上、けがをしている時期は仕事ができない状態。ただ、けがをした事実や失った期間は取り戻せないので、今が本当に大事だと思います」

再発や別箇所の負傷の回避を最優先に置きながら慎重かつ積極的にリハビリに励み、10月末にフルメニューを消化できる状態に回復した。離脱中、ウィングバックのポジションにはスピードや縦に仕掛けられる突破力といった攻撃面に特長を持つ大卒ルーキーの菅本岳が台頭。26節の長野戦でゴールを決めるなど、持ち味を発揮しながら試合ごとに順応性を高めている。

「(菅本)岳のプレーを観て、自分もボックス横のエリアに入っていく回数やフィニッシュワークに絡む頻度など、外から観ることで学んだことは多いです。ポジション争いの相手ではありますけど、チームにとっては幅も広がるしプラスになる要素は大きいと思います」

八角はポジションを奪いに行く立場となったが、その言動から不必要な焦燥感は感じられない。武士道を重んずる八角は、チームメートから「武士気取り」と茶化される一面もあるが、好きな言葉に挙げる「不動心」は彼の体にどっしりと宿っている。チーム状態、自身のコンディションに左右されず、今できることを一歩ずつ確実に取り組む。けがからの復帰も、フットボーラーとして自らが描く未来もその積み重ねからしか切り開けないことを理解しているからこその振る舞いだろう。

「今は練習がすべて。限られた時間や機会でどうアピールするか。本当に一瞬一瞬が勝負。なんとかシーズン中に出場機会を得られるようにしたいです」

八角がやや語気を強めた。普段の落ち着いた素振りは、心の奥に迸る情熱を内包するための隠れ蓑かもしれない。雑念の無さを感じさせる真っすぐな言葉で復帰への思いを新たにする。

残り4試合中、ホームは2試合。左サイドを駆け、ハードに闘う男が間もなくピッチに舞い戻る。

文:高橋拓磨<cross Line>(盛岡担当)


明治安田生命J3リーグ 第31節
11月12日(日)13:00KO いわスタ
グルージャ盛岡 vs SC相模原