【福岡 vs 松本】 ウォーミングアップコラム:左サイドに亀川諒史あり。サイドの主導権は渡さない。

2017年11月10日(金)


見事なプレーだった。第40節湘南戦、J1自動昇格の可能性をつなげる重要な一戦で亀川諒史(写真)は左サイドで躍動。90分間にわたってサイドの主導権を握り続け、対峙する湘南のキーマン藤田征也に仕事をさせなかった。完全復活。その姿は多くのサポーター目に焼き付いた。

「亀川はどうしたんだ」
今シーズン、サポーターの間からそんな言葉が聞こえていた。豊富な運動量をベースに、何物も恐れることなく積極果敢に前へ仕掛けるのが亀川の持ち味。だが、亀川から最大の特長が消えた。もちろん、一昨年、そして昨年の活躍を知る相手が亀川の走り込むスペースを消してきたこともあるのだが、チャレンジすることよりも、失敗を恐れるようなプレーからは、本来の亀川らしさを感じることができなかった。もちろん、自身の特長が出る試合もあったが、それが長続きしない時期が続いた。
「正直、ミスを恐れている部分があった。一昨年、昨年なら、無理でも仕掛けていったところが、今年はセーフティに後ろに下げることが多くなって、選択肢の中にまずはパスというのがあった」(亀川)

そんな亀川が復活の兆しを見せたのは第31節の讃岐戦。試合は残念ながら引き分けに終わったが、90分間にわたって前へ仕掛け続け、時にペナルティエリアに侵入してシュートも放った。続く愛媛戦もチームは0-1で敗れたが、亀川の前に仕掛ける姿勢は変わらなかった。亀川の中で何かが吹っ切れた。そう感じさせるプレーだった。そのきっかけは中村北斗の言葉だったと話す。
「『歳を重ねたら無理が効かなくなる。その時にはプレースタイルを変える必要があるけれど、いまの年齢で無理をしないプレーが癖になったら本当に伸びなくなる』とアドバイスをもらった。自分の良さを、もう一度教えてくれた言葉になった」
もう同じ失敗はしない。亀川に本来の姿が戻ってきた。

そして迎える松本山雅FC戦。福岡にとってはJ1自動昇格の可能性をつなげるために勝利以外の結果はいらない試合。そしてまた、松本にとってもプレーオフ進出のためには勝たなければいけない試合。ともに一歩も譲らない激しい試合が予想されている。その試合で亀川が対峙するのは松本のキーマン・田中隼磨。2人のサイドでの主導権争いが試合に大きな影響を与えることは間違いない。だが、本来の姿を取り戻した亀川はひるまない。

「前節の湘南同様に、相手が3バック、うちが4バックというところで、攻守両面でサイドのところのズレが出てくると思うが、前節は、自分が先手を取ることで藤田選手(湘南)を下げさせることができた。松本との対戦でも相手が5バックの状態になるように押し戻していきたい。高い位置を取って相手を押し込んでいくことを意識してプレーする」

前節に続き自動昇格への可能性をつなぐ大事な一戦で、亀川は左サイドを制することでチームを勝利に導く。

文:中倉一志(福岡担当)


明治安田生命J2リーグ 第41節
11月11日(土)14:00KO レベスタ
アビスパ福岡 vs 松本山雅FC