【熊本 vs 金沢】 ウォーミングアップコラム:キャプテン岡本賢明、地元での最後の舞台。

2017年11月10日(金)


「本気で『熊本をJ1に連れて行きたい、俺ならそれができる』と思って帰って来たんで、そこが本当、唯一の後悔っていうか、悔しい、心残りのところです」

先週3日、クラブを通じて今季限りでの現役引退が発表されたMF岡本賢明(写真)は、地元のクラブで過ごした4年間を振り返ってそう話した。熊本地震の影響で、タイトな日程や調整が難しい中での戦いを余儀なくされた昨シーズン、キャプテンとしてチームを引っ張るとともに34試合に出場して2得点を挙げている。

ただ、今シーズンは開幕時から古傷の膝の調子が思わしくなく、出場はここまで6試合182分。自身の感覚に反してピッチに立つ時間が短くなり、現役を続けるか、次の道を歩むか悩んだ末、今回の決断に至った。

とは言え、その存在感は褪せていない。ゲームに絡めていないことで戸惑った時期もあったようだが、下位に低迷するチームの現状を踏まえ、周囲の選手たちには積極的に指示や要求の声をかけ、ボールを持てばリズムに変化をつけ、時間を作り、味方の動きを生かす効果的なパスを配球する。

「できないことが少しずつ多くなってきた」と言うものの、「このきつい時間にこそ、ヤスがいてくれたら」というゲームが、今シーズンは何度もあった。

岡本がルーテル学院高校を卒業して加入した札幌時代からともにプレーし、今シーズン熊本に移籍したことで再びチームメイトとなった上里一将に話を向けると、「いろいろ思うところが多すぎて、うまく言葉にできないんで、すみません」と答えるにとどめた。

チームは現在、勝点37の20位と、目標に掲げたJ1昇格には遠く及ばず、残留争いに巻き込まれている。今節は18位の金沢を迎えるが、勝点差3に迫る山口のゲームは12日(日曜)に行われるため、試合が終わっても残留が確定しない状況。チームとしてはとにかく、勝点3を目指して戦う以外にない。

岡本の出番があるかどうかは分からない。だがいつその時が来てもいいように、これまでと同じように、毎日の練習に取り組んできた。その姿勢はきっと、他の選手たちにも伝わり、試合のなかで表現されるはず。願わくは、ピッチで躍動する姿と、勝利を掴んでの笑顔を見せて欲しい。

文:井芹貴志(熊本担当)


明治安田生命J2リーグ 第41節
11月11日(土)14:00KO えがおS
ロアッソ熊本 vs ツエーゲン金沢