【清水 vs 磐田】 ウォーミングアップコラム:熱い気持ちと平常心。守護神・六反勇治が語る静岡ダービーの勝負どころとは

2017年10月13日(金)


16位の甲府から勝点2差に迫られ、本格的に残留争いに巻き込まれてきた13位の清水。残り6試合となった中で迎える磐田との静岡ダービーは、(リーグ戦では)4年半ぶりのアイスタでの開催。チケットも1週間以上前に完売となり、大げさではなくクラブの命運をかけたビッグゲームとなっている。

ただ、それは清水にとって好機とも言える。「ジュビロに勝つと本当に(流れが)変わると思うし、今ここでダービーができることを幸せに思っています。今は相手のほうが格上だし、本当にチャレンジするだけです」と、中学生の頃から数多くの静岡ダービーを経験し、実戦復帰も近づいてきた犬飼智也は語る。

練習の雰囲気を見ても、良い意味の緊張感や厳しさがピッチ上に充満し、選手たちは前向きにチャレンジするんだという気持ちをプレーの中でしっかりと表現している。ケガ人も多く復帰しており、良い状態で決戦に臨める気配は十分に感じとれる。

ただ、ひとつ気になるのはセットプレーだ。磐田は得点の5割以上をリスタートから決めており、逆に清水はセットプレーからの失点が今も大きな課題になっている。前回の磐田戦(第5節)でも中村俊輔のFKを起点に2点先行され、1-3で敗れている。

今の清水は、全員で確実に守って失点しないことを重視した戦い方をしており、磐田も守備が堅いチームなので、1点勝負になる可能性も高い。そうなるとセットプレーの比重は自ずと高くなるので、そこでいかに失点を抑えるかが大きなポイントのひとつになる。その点について、GK・六反勇治(写真)は次のように語る。
「セットプレーを抑えれば、ジュビロの得点を5割減らすことができるとも言えます。チームで守ることも大事ですけど、(セットプレーは)個々がマークについていて、ゴールマウスには自分が立っていて、そこで各々の責任をしっかりと果たすことが大事だと思います。わずかでも身体をぶつける、指先だけでもボールに触る、それで1%でも失点する可能性を減らすことが重要だと思います」

選手1人1人がギリギリのところでどれだけゴールを守り抜く執着心を見せられるか。静岡ダービーの醍醐味という意味でも、セットプレーの攻防は大きな見どころとなりそうだ。そしてセットプレーからの失点をなくすことができれば、それ以外からの得点力という意味では、清水としてはライバルを上回れる自信を持っている。

また、そうした意味でも、メンタル面のコントロールが非常に重要になると六反は言う。
「サポーターも選手もテンションが高い試合になる中で、どれだけ平常心を保てるかですよね。ホームでのダービーなので、たぶん自然と120%の力はみんな出てくると思いますが、その中で自分のコントロールができない選手がいると、ふだん起こらないようなミスが起こったりして難しいゲームになることもあると思います。だから、1人1人がテンパることなく、良い意味で120%の力を出せる選手が何人いるかという部分が大事になると思います」

清水にとっては、残留という後先のことよりも「この試合に勝ちたい!」という一点に集中できることはプラス要素と言える。
「エスパルスの一員になったからには、ホームでジュビロという相手に対して、絶対に負けられないと思っています。サポーターの中には僕が思っている以上の思い入れがある人も多いでしょうし、その想いをピッチ上で表現できるのは選手なので、この試合の意味をしっかりと考えながらプレーしたいと思います」と六反は言う。

磐田を上回る熱い気持ちを出しながら、冷静に戦況を見るという平常心も求められる試合。フィールドプレイヤーたちの“熱さ”が少し過剰になったとしても、最後尾に冷静さをつねに保てる守護神がいるのは、チームにとって非常に心強いところだ。

文:前島芳雄(清水担当)


明治安田生命J1リーグ 第29節
10月14日(土)14:00KO アイスタ
清水エスパルス vs ジュビロ磐田