【町田 vs 大分】 ウォーミングアップコラム:存在感を増す“スーパー中間管理職”井上裕大 古巣・大分に立ちはだかる

2017年5月20日(土)


井上裕大(写真)は現在27歳。昨年に町田へ加入すると、間もなくチームの副キャプテンになった。練習やオフ・ザ・ピッチの絡みを観察すればすぐ気づくことだが、井上は誰とも分け隔てなく接する好漢。若手選手の“いじり”を引き受ける癒しキャラもあり、団体競技においては貴重な存在だ。高原寿康、李漢宰のようなベテランから、若手まで幅広く揃う年齢構成の中で、井上は“中間管理職”的に人と人をつなぐコミュニケーターになっている。

ただ今の彼は純粋にプレイヤーとして目立っている。昨季の出場は18試合852分に止まったが、今季は第14節終了時点で1,028分のプレータイムを得ている。ゴールも既に2つ挙げており、ボランチながら前線に飛び出す運動量と思い切りが際立っている。

井上自身も「去年は怪我でキャンプをやれなかったけれど、今年はずっと充実した練習をやれている」と自身の歩みを口にする。戦術的に町田へフィットし、迷いが消えたことも大きい。

井上は「4-4-2を5,6年やってなかった。長崎もワイドに二人いて、横に大きく使うサッカー。横パス、バックパスをかなり使いながら攻撃していた」と町田加入前のプレーモデルを振り返る。町田はボールを奪った直後の“一手目”から縦に出ていくスタイル。狭いスペースにも相手ボールを入れ、仮に奪われても素早い切り替えから奪い返しを狙うサッカーだ。そこにはしばらく埋まらないギャップがあった。

攻守ともボールの近くに人をかけて、正面から撃ち合う――。そんなアグレッシブなスタイルに適応したことで、今季は井上の強みとチームが融合した。彼は言う。「真ん中なので相手がいる。だから今まではサイドに逃げていた部分があった。でもそこにチャレンジできるようになった」

21日に対戦する大分トリニータは、井上がU-15からプロ5年目まで在籍していた古巣だ。彼は大分U-18時代に主将を務めていたが、同期には小手川宏基(大分トリニータ)や清武弘嗣(セレッソ大阪)といった逸材もいた。

また岸田翔平と後藤優介も「俺の背中を見て育った」と井上が“豪語”する後輩。特に岸田翔平は井上から見て大分東明高校英語科の後輩。U-18の頃は「練習に行くのも帰るのも一緒」で、長崎時代もよく行動を共にしていたという関係だ。そんな選手たちとの対決も、大分戦の見どころだろう。

文:大島和人(町田担当)


明治安田生命J2リーグ 第15節
5月21日(日)16:00KO 町田
FC町田ゼルビア vs 大分トリニータ