【柏 vs 横浜FM】 ウォーミングアップコラム:やはりこの男が決めるとチームの勢いが増す。献身性を増した大津祐樹、復活の狼煙!

2017年4月21日(金)



誰が決めても1点は1点、その価値は変わらない。たとえそれがオウンゴールであってもだ。ただ、チームに与える勢い、雰囲気や流れを一変させるという点では、誰が決めるかによって著しく違いが表れるケースがある。

柏でいえば、大津祐樹(写真)がその存在にあたる。前節の神戸戦での劇的決勝弾は、あらためてそのことを感じさせる一撃だった。

2015年の柏復帰から2年、大津にとって不本意なシーズンが続いていた。ケガにより、戦列に戻ってはまた離れるが続き、トップコンディションを維持できず。しかも与えられたポジションも本職の左サイドではなく1トップだったため、ディフェンダーを背負った状態では大津の持ち味が発揮されにくかった。

しかし今年は、下平隆宏監督に「左サイドで勝負させてください」と自らの意思を伝えた。そしてキャンプからコンディションも良好で、その好調さを維持するためにこれまで以上にピッチ外でも気を使った。

大津のプレーの特徴は紛れもなくボールを持って前を向いた時、すなわち攻撃面にある。柔軟なボールタッチと優れた身体能力が融合したダイナミックなスタイルに、インスピレーションが加味されたプレーの華やかさは観る者を惹きつける。ただ、今年は攻撃面に固執しすぎるのではなく、とにかく走り、守備をし、球際でも戦うと、チームのために献身的な姿勢をより強く打ち出していた。事実、第5節の広島戦は柏が2-0で勝利を収めているが、いずれの得点も大津の守備がきっかけとなって生まれたものだった。

前節の神戸戦の決勝弾、こぼれ球に対しヘディングでゴールを狙わず、「苦手なヘディングで狙っていたら、多分外していた(苦笑)」という理由から、一度胸でトラップしてボレーで決めるというアクロバティックなプレーを選択するあたりはいかにも大津らしい。だがそれも、“フォア・ザ・チーム”の意識がより強くなり、汗をかくことを厭わずに献身的なプレーを貫いていたからこそ、最後に彼のもとにボールがこぼれてきたのだろう。

苦難の2シーズンを乗り越え、大津は復活の狼煙を上げた。献身的にチームのために戦う今年の背番号10は、一味違う。

文:鈴木潤(柏担当)


明治安田生命J1リーグ 第8節
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