【山口 vs 東京V】 ウォーミングアップコラム:山口スタイルを取り戻せ。三幸秀稔が語る「走り」へのこだわり

2017年3月18日(土)



大きく選手が入れ替わった影響が残り、まだ山口らしいサッカーを見せるには至っていない。しかし、試合を重ねるたびに内容面では改善しつつあり、ボールを保持できる時間も増えてきている。山口らしさの完全復活に向け、重要な役割を担うのがボランチの三幸秀稔(写真)だ。
今季はチームの副キャプテンに就き、名実ともに山口の中心選手となった三幸。「中盤は通過できている」と自信を得つつある一方、「まずは動かないといけない。タイミング以前に走らないと相手は崩れない」と言葉にも熱が入る。

三幸は昨シーズンの開幕直前に山口入りが決まった。この『最後にやってきた男』が、今や上野展裕監督のサッカーを体現する象徴的な選手に。今年はキャンプにも「初参戦」し、小塚和季、髙柳一誠らと今年のボランチ像を共有してきた。

チームは未だ去年ほどのポゼッションはできず、ラインが下がり気味な時間もある。だが、三幸は「あくまでも自分たちは攻撃的なチーム。そのためには保持するし、前から取りにいく。取れなくても『引く』というよりは、陣形を整えてから前に向かっていく。そういう部分は意識している」と強調。目指すスタイルは揺るぎなく、「前から行く時の意思統一をするために、うまく声を掛けたい」と語り、今節もボランチとしての判断を研ぎ澄ます。

そのボランチの相棒として前節は新加入の佐藤健太郎とコンビを組んだ。
佐藤もまた『最後にやってきた男』。去年の三幸と同じように2月中旬になって加入が決まったばかりだ。三幸は、佐藤やセンターバックの渡辺広大らと積極的に言葉を交わして短時間でも合わせられるように動いてきた。それが奏功し、コンビネーションはまるで去年からやっているかのようなフィット具合だ。「攻撃はこういうようにしたいと健太郎さんには伝えているし、健太郎さんも自由にやっていいよという感じで言ってくれている」と互いの特徴が活きる方法を模索。三幸は「その分、守備の負担を大きくしてしまっているので、守備の運動量も増やさないといけないなと思う」とも話し、助け合いながらいっそう連係を深めていく。

3月15日の練習後。上述した守備の判断や、佐藤との関係性などの話をしながら、三幸の言葉がひときわ強くなった瞬間があった。連係改善が進む中で、悔やまれる前節の黒星。ピッチ上のコンダクターたる三幸は「ボールを持っていたが攻め手がなくなった」と振り返り、「動くしか解決方法はない」と断じた。やっているサッカーに間違いはない。あとは信じて動くかどうか。三幸の表情からはいつもの柔和さは消えていた。今節こそ、周りを走らせ、自分も走り、誰もが魅了される山口流を取り戻してみせる。『最後にやってきた男』たちによる山口の復活劇は、いま、開演のブザーを待っている。

文:上田真之介(山口担当)


明治安田生命J2リーグ 第4節
3月19日(日)14:00KO 維新公園
レノファ山口FC vs 東京ヴェルディ

スタジアムナビ

スタジアムナビ