【神戸 vs 磐田】 ウォーミングアップコラム:ゲームを支配する藤田直之が今、おもしろい。

2017年3月17日(金)



今の藤田直之はスタジアムで見るべき選手だ。クラブ史上初のJ1開幕3連勝で波に乗る神戸の中でも一際輝いている。3月11日のアウェイ仙台戦で神戸での初のゴール(リーグ戦において)を決めたからではない。ボランチとしてゲームをコントロールする姿を目に焼き付けてほしいからだ。

鳥栖のキャプテンだった藤田が、神戸にやってきたのは2016年。森岡亮太とチョン・ウヨンという2枚看板が電撃移籍で抜けたシーズン。藤田には森岡とウヨンの穴を埋めつつ、新しい風を吹かせる存在として期待された。それに呼応するようにゲームメーカー、プレースキッカー、パサーなど多くの役割が藤田の両肩にのしかかった。

さらに覚えるべき守備面の規律は多数。自身初の移籍だった藤田は、チームメイトの個性を完全には掌握できないままシーズン開幕を迎えた。結果は1stステージ12位と低迷。ニウトンが加入した2ndステージは2位と躍進したものの、シーズンを通して藤田がゲームを支配できていたかと問われれば、必ずしも“YES”とは言えなかった。

そして、神戸2年目の今季はFC東京から高橋秀人が加入し、藤田にとっては厳しいシーズンになるのではないかと思われた。だが、フタを開ければ開幕スタメン。長短パスを織り交ぜながらゲームを組み立て、司令塔としてピッチに君臨した。では、昨季と今季とでは何が違うのか。藤田はこう話す。

「昨シーズンはボールを奪ったらすぐに前線のレアンドロかペドロにくさびのパスを入れるように監督から言われていた。正直、このタイミングは無理って場面もありました(笑)。でも、今季はボランチで時間をコントロールするように言われている。そこは大きく違うところかなと思う」

流れを見て臨機応変にゲームを組み立てる。藤田の能力が生かされる環境が生まれたのは大きな違いと言えそうだ。だが、今の状況を楽観視している訳ではない。

「開幕から3試合(清水、新潟、仙台)は、フリーでボールをさばける場面も多かった。でも、だんだんそうはいかなくなるだろうし、前線に当てる場面、溜める場面の両方をもっとうまく使い分けていかないといけないでしょうね」

藤田が今シーズンから個人的に心がけていることがあるという。

「1試合に1〜3回くらいは(攻撃で)ペナルティエリア内に入ろうかなと。(ネルシーニョ)監督はペナ外でセカンドを拾うプレーが好みだと思うけれど…(笑)」

監督の求めるプレーはクリアしつつ、自分の色を出している藤田が今、おもしろい。


文:白井邦彦(神戸担当)


明治安田生命J1リーグ 第4節
3月18日(土)16:00KO ノエスタ
ヴィッセル神戸 vs ジュビロ磐田

スタジアムナビ

スタジアムナビ