【熊本 vs 岡山】 担当ライター“一問一答”

2015年11月22日(日)

「担当ライター“一問一答”」は、対戦する両クラブの記者が質問と答えをぶつけあう新企画です!

明治安田生命J2リーグ 第42節
11月23日(月)14:00KO うまスタ
ロアッソ熊本 vs ファジアーノ岡山

★熊本から岡山へ
Q
過去の戦績を見ても数字の上では決して分が悪い相手ではありませんが、なんかいつも押谷祐樹選手にやられていますし、実際は負け越しているような感覚さえあります。街の規模、クラブの規模も大きな差はないかと思うのに、来場者数や成績、専用練習場などの環境面でも遅れをとっているような気もします。岡山からすると、熊本というクラブだけでなく、熊本県はどんなイメージなんでしょうか?
(熊本担当:井芹貴志)

A
押谷選手が岡山でプレーする13年以降の対戦を振り返ると、
2013年5月、第16節@カンスタ、2-3で熊本勝利、89分と91分に押谷得点。
2013年8月、第28節@うまスタ、1-1、79分に押谷得点。
2014年5月、第11節@うまスタ、0-0、押谷ケガで出場なし。
2014年11月、第41節@カンスタ、1-1、68分に押谷得点。
2015年4月、第8節@Cスタ、3-0で岡山勝利、70分に押谷得点。
となっています。

押谷選手によると、「僕が岡山に来てから、出た試合には点が取れているので、相性は良いです。理由はわかりませんが、謎に相性が良く、いつも点が取れそうな気がしています」。押谷選手は第40節・岐阜戦で退場になり、「自分の今シーズンはもう終わった。あとはみんなのサポートをしよう」と考えていましたが、出場停止が1試合だったため、今節は出場可能です。昨年のホーム最終戦・熊本戦ではキャリア初の10点目を決めましたが、今年も9得点の状態で熊本に行きます。

そして昨年期限付き移籍で熊本にお世話になった篠原弘次郎選手。「練習後、ランニングしながら、北嶋コーチからあらゆることを教わった」と、岡山で今年「39」を背負っています。「熊本はチームみんなが仲が良くて、あの雰囲気、僕は大好きです」と言います。「それほど試合は見ることが出来ていませんが、アグレッシブな良いサッカーをしている印象があります。上位チーム相手にも互角以上にやっているのは、お互いを信頼して一致団結してやっているからだと思います。でも敵ですから、最後は自分たちが勝って気持ち良くシーズンを終わらせたいです。何も仕事をさせないくらい、やったった感を出したいですね。それくらい印象づけないと男じゃないですね。(Q:岡山の39番が目立つ?)バシッと(笑)」。

長澤徹監督は熊本についてこう話しています。「現監督の小野さん、前監督の高木さん、その前の北野さんから、いろいろなトライをしながらしっかりとチームを築き上げていて、ユースの選手が活躍していることからも着実に成長しているクラブだということはわかります。そういうクラブは得てして隙はないですね。そういう強さを感じますし、どこのチームも熊本を『手強い』と思っているんじゃないかな」。

また、佐賀県出身の篠原選手は熊本県について、「九州はどこも良いですが、熊本は人が温かくて親切で、気取らず、何も考えずにいられる所でした」と話していました。熊本県といえば、岡山県内のスーパーにはスイカやトマトをはじめ、熊本の農作物が品数豊富に並んでいます。味がきりりと深く、キレのあるおいしさですよね。また県ではありませんが、熊本市の動物愛護の取組みには個人的に注目しています。これは殺処分0を目指すもので、しかもその際、飼育放棄の飼い主を「説得すること」を大切にしていると聞き、その覚悟のある丁寧なやり方に感銘を受けました。熊本県についてもチーム、クラブと同様、目標のため着実に毎日を積み重ね、そこに気持ちが沿っている、そんな印象を持っています。今日あたりから岡山から熊本へ、たくさんのファン、サポーターが伺っています。どうぞよろしくお願いします!
(岡山担当:尾原千明)


★岡山から熊本へ
Q
今年の、とくに後半戦からの熊本に、楽しんでサッカーをやっている勢いを感じています。今年のチームの一番の強みは何だと見ていますか。
(岡山担当:尾原千明)

A
今から18年前、1997年春から半年間だけ放送されていた、『タモリの新・哲学大王!』(フジテレビ系)という番組をご存知でしょうか。これは身近なテーマを哲学的に捉え、「◯○とは?」というお題に対してパネラーたる出演者がそれぞれに思考を重ね、独自の解釈で回答を導き出す、という内容です。だから、そうですね、例えば「仕事とは?」「幸せとは?」「人生とは?」みたいな。出演者それぞれでアプローチも違えば結論も違うので、結局「これ!」という答えは出ないわけですけれど、まぁ、そのゆるさの中にも気付きや学びが垣間見えるような、タモリさんが関わっている番組だからこその面白さがありました。

で、「今年のチームの一番の強みとは?」というご質問に答える前に、この番組のなかで1つだけ、ずっと記憶に残っているテーマと回答があるので少し触れさせてください。それは「大人とは?」というテーマに対してタモリさんが出した回答、曰く、「大人とは、清濁合わせのむ人のことである」というもの。放送された半年間で、この他にどんなテーマが取り上げられたのか、今となってはほとんど覚えていませんが、なぜかこれだけはよく覚えているのです。18年前と言えば私は20代半ば。仕事にも慣れて、「そうか、合わせ飲まなきゃいけない部分もあるんだな」ってことが見えてきた頃。だから余計に、これだけが胸にしみたのかもしれません。

さて熊本は今シーズン、早い時期に最下位を経験しました。選手個人個人でも、シーズン通してポジションを保証された存在は1人もおらず、開幕戦でスタメンを勝ち取ってもその後は試合に絡めなかった選手もいれば、逆に望まないポジションで起用されていたけれども次第に適応して信頼を勝ち得たり、あるいはシーズン終盤になって再びピッチに戻ってきたりした選手もいます。チームレベルでも、選手個々のレベルでも、いいことばかりでなく良くないこと、嫌なこと、納得いかないことも起きたはずです。しかしそれらも含め、いいたいこともグッとこらえて飲み込んで、「チームとして掲げた目標を達成する」ことを第一に考え、それぞれが果たすべき役割に取り組んできた。それがシーズン後半になって実を結んできたのではないか。私はそう思っています。

つまり「チームとして」大人になった――。これが、今年一番の強みだと思うのです。細部を見ていけば、シーズン途中に加わったMF清武功暉とGKシュミット ダニエルの貢献度が高いことは明らかですし、小野剛監督が就任2年目となり、昨シーズンから築いてきたハードワークする姿勢が文化として根付いてきた効果もあります。もちろん、ここまでの41試合、その全てで、したたかに勝点を取る試合運びに徹することができたかと言えば否でしょう。しかしまだまだシーズン序盤だったとはいえ、最下位になって降格が危ぶまれる状況でもサポーターはブーイングより声援で後押しすることを選んだし、現場は試合を通して学び、成長して、最後までプレーオフ進出の可能性を残す戦いを見せてくれました。このサイトがリスタートするにあたって10月時点での「今年の漢字」に私は「信」という字を選びましたが、いろいろあってもそれぞれが仲間や自分たちを信じる姿勢が根底にあったから持ち直せたし、1年間戦えたんだと思っています。

前節徳島に敗れたことで、プレーオフ進出はなくなりました。しかしだからといって、選手達のモチベーションの火が消えたわけではありません。最終節は今年の「強み」を発揮できる最後の機会。きっといい試合にしてくれると信じています。
(熊本担当:井芹貴志)

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